売買決済の実務|住所変更登記

住所変更登記の義務化|売る前に売主が自分ですることはある?期限と書類がチャートで分かる

売主さんに「住所変更の登記、売る前に自分でやっておくべき?」と聞かれました

戸建ての売却のご相談を受けています。売主さんは10年ほど前にいまの家へ引っ越していて、登記簿の住所は前の住所のままのようです。「住所変更の登記が義務になったとニュースで見た。売る前に自分でやっておかないといけないのか。罰金もあるのか」と聞かれて、うまく答えられませんでした。

売る前に、売主さんが自分で住所変更の登記をしておく必要はありません

住所変更の登記は、決済の日に、売買の登記と同時に司法書士が申請します。売主さんには「売るときに一緒に済ませます」とお伝えください。

住所変更の登記の期限
令和8年3月31日までに住所が変わった令和10年3月31日まで
令和8年4月1日以降に住所が変わった住所が変わった日から2年以内

ご相談の売主さんのように令和8年4月より前に引っ越している場合、期限は令和10年3月31日で、まだ過ぎていません。決済の日に住所変更の登記もするので、この期限には間に合います。

売主さんが心配されている「罰金」(過料)を科されることもありません。過料は、登記官から催告を受けても正当な理由なく登記しなかったときに、登記官が裁判所に知らせて、裁判所が科すものです。

住所・氏名が違っているかどうかは、司法書士が確かめます

登記事項証明書に載っている売主さんの住所・氏名と、住民票の写しなどを見比べます。

  • 登記簿の住所と、いまの住所が同じか?引っ越していなくても、住居表示の実施で住所の表記が変わり、登記簿と違っていることがあります。どんなときに登記が要るかは、売主さんの住所が登記簿と違うときにまとめています。
  • 引っ越しが1回か、何回もあるか?1回なら、住民票の写しに前の住所が載っていることが多く、それで住所が変わったことを証明できます。何回も引っ越していると、本籍地で取る戸籍の附票の写しなどが要ります。
  • 氏名も変わっているか?結婚・離婚などで氏名が変わっていれば、戸籍の謄抄本で氏名の変更を証明します(氏名が変わっているとき)。

売主さんの事情ごとに、期限と要る書類が変わります

選ぶと、その先だけが出ます

引っ越した時期と氏名の変更を選ぶと、その売主さんの期限と書類が分かります

担当者の方が売主さんから聞いている範囲でお答えください。登記簿と違っているかどうかは、司法書士が登記事項証明書と見比べます。

売主さんに「売る前に自分で住所変更すべき?」と聞かれた

売主さんがいまの住所に引っ越したのは、いつ頃ですか

7とおりを、まとめて見る

令和8年3月までに変わっていない

期限は令和10年3月31日です。決済の日に、売買の登記と同時に申請します

住民票の写しは、マイナンバーカードがあれば売主さんがコンビニで取れます。何回も引っ越していれば戸籍の附票の写しが要り、ご存じない方が多いので、司法書士が代わりに取ることもあります。

令和8年3月までに変わっている

期限は令和10年3月31日です。住所と氏名の変更を1つの登記にまとめて、決済の日に申請します

どの戸籍が要るかは、司法書士が確かめてご案内します。取り寄せを引き受けることもあります(氏名が変わっているとき)。

令和8年3月までに分からない

期限は令和10年3月31日です。氏名も違っているかは、司法書士が登記事項証明書で見比べます

決済の日に、売買の登記と同時に申請します。

令和8年4月以降に変わっていない

期限は、住所が変わった日から2年以内です。決済の日に、売買の登記と同時に申請します

住民票の写しは、マイナンバーカードがあれば売主さんがコンビニで取れます。何回も引っ越していれば戸籍の附票の写しが要り、ご存じない方が多いので、司法書士が代わりに取ることもあります。

令和8年4月以降に変わっている

期限は、住所が変わった日から2年以内です。住所と氏名の変更を1つの登記にまとめて、決済の日に申請します

どの戸籍が要るかは、司法書士が確かめてご案内します。取り寄せを引き受けることもあります(氏名が変わっているとき)。

令和8年4月以降に分からない

期限は、住所が変わった日から2年以内です。氏名も違っているかは、司法書士が登記事項証明書で見比べます

決済の日に、売買の登記と同時に申請します。

分からない

引っ越した時期が分からなくても、決済の日に売買の登記と同時に申請します。期限は、住民票の写しなどで司法書士が確かめます

  • 物件の住所か、登記事項証明書(住居表示で足ります)
  • 売主さんのいまの住所(聞いている住所で足ります)

住所・氏名が違っているかどうかと、要る書類は、司法書士が確かめてご案内します。

  • 売主さんがほかにも不動産を持っているときは、売らない不動産の登記簿も前の住所のままになってしまいます。売主さんが希望されれば、そちらの住所変更の登記も同じ機会に申請します。どの不動産を対象にするかは、売主さんに決めていただきます。

買主さんについては、氏名のふりがな・生年月日・メールアドレスなど(検索用情報)を司法書士が聞き取り、売買の登記とあわせて申し出ます(スマート変更登記)。担当者の方にしていただくことはありません。

分かれ道の全体を、図で見る
住所変更登記の義務化で、売却する売主さんの流れ図。売主さんには「売るときに一緒に済ませます」と伝え、司法書士が登記簿と見比べて住所・氏名が違っていれば書類をそろえ、決済の日に売買の登記と同時に申請する
登記簿の住所が前の住所のままの売主さんが、物件を売るときの流れです。

担当者の方からいただきたいもの

最初のお問い合わせは、相談欄の3点で足ります。住所変更の登記が要るかを確かめるために、ご依頼のときに次をお送りください。

  • 物件の住所か、登記事項証明書住居表示で足ります。重要事項説明のために取った登記事項証明書があれば、それをお送りください。
  • 売主さんのいまの住所印鑑証明書や住民票がなくても、聞いている住所で足ります。

司法書士から、ひとこと

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

売る前に、売主さんがご自分で登記をされる必要はありません。売買の登記と同時に申請します。売主さんから聞かれて答えに迷ったら、こちらから直接ご説明します。

この案件のご相談

この場面で、当事務所ができること

  • 住所変更の登記に使う書類を、売主さんに合わせてそろえます
  • 売主さんから義務化について聞かれたときは、司法書士から直接ご説明します
  • 買主さんの検索用情報をうかがい、売買の登記とあわせて申し出ます
決済予定日
未定なら「◯月下旬」など見込みで構いません。
物件の所在地
市区町村までで足ります。土地・建物がいくつあるかも分かれば添えてください。
権利証の有無
未確認なら「未確認」とお書きください。

決済の見込み時期・物件の所在地・権利証の有無をお知らせください。住所変更の登記が要るかどうかは、ご依頼のときに物件の住所をいただいて確かめます。

この案件を相談する受付 10:00〜19:00/見積もりは無料です。個人名・地番は最初のご連絡では不要です。「名義と登記簿のズレ」で引き受けることを見る

住所変更登記の義務化で、よく聞かれること

売主さんが、自分で先に住所変更の登記を済ませたいと言っています。それでもいいですか?

構いません。その場合は、住所変更の登記がされたことを最新の登記事項証明書で見てから、売買の登記を申請します。

売主さんが「スマート変更登記の申出はした」と言っています。住所変更の登記は要りませんか?

申出をしていても、住所変更の登記がされているとは限りません。登記簿の住所が前の住所のままなら、決済の日に売買の登記と同時に申請します。

住所変更の登記にも、登録免許税はかかりますか?

かかります。売買の登録免許税とは別に、住所変更の登記の分が、登記する土地・建物の数に応じてかかります。住居表示の実施で住所の表記が変わっただけのときは、かかりません。金額は見積もりで、ほかの費用と分けてお示しします。

この記事に出てくる言葉

この記事は、一般的な個人間の売買を想定した説明です。必要な書類や手続は、当事者・物件・融資の条件によって変わります。実際の案件では、担当する司法書士にご確認ください。