売買決済の実務|相続登記が未了

相続登記が終わっていない物件を売る|チャートで分かる、決済までの進め方

名義が、亡くなったお父さまのままになっていました

戸建ての媒介を受けました。登記事項証明書を取ったら、名義が10年前に亡くなったお父さまのままです。売主さんはご長男で、ほかにご兄弟がいらっしゃいます。このまま売れるのか、決済の日までに何が要るのかが分かりません。

相続の登記が終わってから、決済の日を迎えるのが基本です

亡くなった方の名義のままでは、売買の登記ができません。相続の登記が終わってから、決済の日を迎えるのが基本です。相続の登記は売主さん自身の登記なので、その分の費用は売主さんからいただきます。

決済の日に、相続の登記と売買の登記をまとめて出すこともできます。ただ、相続の登記で手直しが入ると買主さんの抵当権の設定まで止まります。住宅ローンを使う案件では、銀行の立場からは避けたいところです。買主さんが業者さんで一括のお支払いなら、同じ日にまとめることもあります。

どれだけ日数がかかるかは、相続人が何人いるか、遺言があるかで分かれます。名義が亡くなった方のままだと分かった時点でお知らせください。

戸籍を集めるのに、いちばん日数がかかります

相続の登記には、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍が全部要ります。本籍地が何度も変わっていると、市区町村ごとに請求することになります。

  • 相続人が何人いらっしゃるか複数なら、誰が相続して売るかを決めていただき、全員に遺産分割協議書へ実印を押していただきます。
  • 遺言があるかどうか遺言の内容によっては、相続人が複数でも遺産分割協議が要りません。
  • 登記簿の住所が、亡くなった方の最後の住所と同じか違っていれば、同じ方であることを示す書類が別に要ります。住民票の除票で足りないときは戸籍の附票で確かめます(売主さんの住所が登記簿と違うとき)。

相続の登記が終わっているかどうかで分かれます

選ぶと、その先だけが出ます

答えていくと、その案件で何が要るかが分かります

売主さんから聞いている範囲で結構です。登記簿を読む必要はありません。

名義が亡くなった方のままだと分かった

相続の登記は、もう終わっていますか

7とおりを、まとめて見る

終わっている(名義が売主さんになっている)

売買の登記だけです。ほかの案件と変わりません

  • 売主さんの権利証・印鑑証明書・実印

権利証が見当たらないときは、面談して本人確認情報を作ります(売主の権利証が見つからないとき)。

終わっていない(亡くなった方のまま)おひとり

戸籍がそろえば足ります。遺産分割協議書は要りません

  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍
  • 売主さんの戸籍と住民票の写し

終わっていない(亡くなった方のまま)複数ある

遺言の原本を拝見して、遺産分割協議が要るかを判断します

  • 遺言の原本
  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍

家庭裁判所の検認が要る遺言だと、そのあいだ日数がかかります。

終わっていない(亡くなった方のまま)複数ない

戸籍に加えて、相続人全員の実印と印鑑証明書が要ります

  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍
  • 遺産分割協議書に押していただく、相続人全員の実印と印鑑証明書

まず、誰が相続して売るかを決めていただきます。遠方にお住まいの相続人がいると日数がかかるので、人数とお住まいの地域をお知らせください。

終わっていない(亡くなった方のまま)複数分からない

遺言があるかどうかは、司法書士が確かめます

  • 物件の所在地か登記事項証明書
  • 決済の見込み時期

戸籍を集めるのは、並行して進められます。

終わっていない(亡くなった方のまま)分からない

戸籍を見れば、相続人が何人かが分かります

  • 物件の所在地か登記事項証明書
  • 決済の見込み時期

亡くなった方のお名前と亡くなった時期が分かれば、こちらで戸籍を集めます。

分からない

登記簿の名義を、司法書士が確認します

  • 物件の所在地か登記事項証明書
  • 決済の見込み時期
分かれ道の全体を、図で見る
相続登記が終わっていない物件を売るときの流れ図。相続の登記が終わっているか、相続人が1人か複数か、遺言があるかで、決済までにすることが分かれる
名義が亡くなった方のままだと分かったときの流れです。

担当者の方からいただきたいもの

名義が亡くなった方のままだと分かった時点で、次をお知らせください。

  • 登記事項証明書の写しか、物件の所在地重要事項説明のために取ったものがあれば、その写しで足ります。
  • 相続人の人数と、お住まいの地域売主さんから聞いている範囲で結構です。市区町村までで足ります。
  • 決済の見込み時期戸籍を集めるのに日数がかかるので、そこから逆算します。

司法書士から、ひとこと

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

名義が亡くなった方のままでも売れます。ただ、戸籍を集めるのに日数がかかります。媒介を受けた時点で、ひとこと知らせてください。

この案件のご相談

この場面で、当事務所ができること

  • 登記簿の名義を確認して、相続の登記が要るかを判断します
  • 亡くなった方の戸籍を、本籍地ごとに集めます
決済予定日
未定なら「◯月下旬」など見込みで構いません。
物件の所在地
市区町村までで足ります。土地・建物がいくつあるかも分かれば添えてください。
権利証の有無
未確認なら「未確認」とお書きください。

物件の所在地か登記事項証明書と、決済の見込み時期をお知らせください。名義が誰になっているかは、こちらで確認します。

この案件を相談する受付 10:00〜19:00/見積もりは無料です。個人名・地番は最初のご連絡では不要です。「名義と登記簿のズレ」で引き受けることを見る

相続登記が終わっていないときに、よく聞かれること

相続の登記の費用は、どちらの負担になりますか?

売主さんのご負担です。売買の登記とは別にかかります。「高い」と言われることがありますが、内訳の大半は登録免許税という税金です(売買決済の司法書士費用)。

契約までに、相続の登記を済ませておく必要はありますか?

契約までに済ませておく必要はありません。ただ、決済の日までには終わらせておきたいので、戸籍を集める日数を考えると契約の前にお知らせいただけると助かります(司法書士に依頼するのはいつ)。

相続人の間で話がまとまっていません。どうなりますか?

誰が相続するかが決まらないと、相続の登記ができません。戸籍を集めるのは、先に始められます。

この記事に出てくる言葉

この記事は、一般的な個人間の売買を想定した説明です。必要な書類や手続は、当事者・物件・融資の条件によって変わります。実際の案件では、担当する司法書士にご確認ください。