売買決済の実務|物件の漏れ

私道持分がある売買|チャートで分かる、決済の対象から漏らさない確認

前面道路が私道で、売主さんに持分があるそうです

戸建ての媒介です。前面道路が私道で、売主さんに持分があると聞きました。売る土地は1筆のつもりで進めていたのですが、私道の分も登記するのでしょうか。契約書にどう書けばよいのかも分かりません。

私道の持分も、売買の登記の対象です。売る土地と一緒に申請します

私道は別の地番になっていることが多く、売る土地の登記事項証明書だけでは出てきません。買ったときの権利証・公図・名寄帳のどれかには出てきます。どこを見るかは、一緒に当たります。

売買契約書の物件の表示に私道が入っていないと、そのままでは登記できません。契約書と登記簿が合っているかは、司法書士のほうで照らします。

この4つのどこかに、私道は出てきます

物件を特定するのは媒介のお仕事で、司法書士が肩代わりできるところではありません。ただ当事務所は宅地建物取引士として重要事項説明書をつくる側の仕事もしているので、どこを見れば出てくるかはご一緒できます。次の4つです。どれか1つだけでは落ちることがあります。

  • 売主さんが買ったときの権利証買ったときの物件が、そのまま並びます。私道の持分も一緒に買っていれば、ここに出てきます(登記済証・登記識別情報)。
  • 公図前面道路がどの地番になっているかを確かめます。私道が細長く分筆されていることもあります。
  • 名寄帳その市区町村で売主さんが持っている土地が、一覧で出ます。私道は固定資産税がかからないことが多く、そのぶん課税明細書には載りません。あとから買い足した持分も、ここで拾えます。売主さんの委任状をいただいて、こちらで取ります。
  • 拾った地番の登記事項証明書持分があるかどうかは、公図だけでは分かりません。地番が分かってから、1件ずつ確かめます。抵当権がついていれば、共同担保目録も見ます(住宅ローンが残る物件の売却)。

契約書の物件の表示に入っているかで分かれます

選ぶと、その先だけが出ます

契約書を見て、1つ選んでください

登記簿と照らす必要はありません。契約書に書いてあるかどうかだけで結構です。

前面道路が私道だと分かった

売買契約書の物件の表示に、私道は入っていますか

3とおりを、まとめて見る

入っている(地番と持分が書いてある)

登記簿と照らして、地番と持分が合うかを確かめます

  • 物件の所在地か登記事項証明書
  • 売買契約書の物件の表示

違っていれば、登記簿のとおりに申請します。契約書を直すかどうかは、そのときにご相談します。

入っていない

本当に無いのか、書き漏れかを公図で確かめます

  • 物件の所在地か登記事項証明書
  • 決済の見込み時期

持分があるのに契約書に入っていないときは、どう直すかを分かった時点でご相談します。早いほど直しやすいので、分かった時点でお知らせください。

私道があるかどうか分からない

どこを見れば出てくるかを、一緒に当たります

  • 物件の所在地か登記事項証明書
  • 決済の見込み時期

権利証がお手元にあれば、その写しもいただけると早いです。登記簿と照らすところは、こちらで引き受けます。

  • 隣の方との共有なら、売主さんの持分の分だけ申請します。自分の家の前の1筆だけを単独で持っている形もあり、そのときは1筆まるごとが売買の対象です。
分かれ道の全体を、図で見る
私道の持分があるときの流れ図。売買契約書の物件の表示に私道が入っているかどうかで、司法書士が照らすか、公図から確かめるかが分かれる
前面道路が私道だと分かってから、決済の日までの流れです。

担当者の方からいただきたいもの

私道があると分かった時点でお知らせください。分からない項目は空欄で結構です。

  • 物件の所在地か、登記事項証明書の写し重要事項説明のために取ったものがあれば、その写しで足ります。
  • 売買契約書の物件の表示まだ契約の前なら、案の段階のもので結構です。
  • 売主さんが買ったときの権利証の写し表紙と、物件が並んでいるページだけで結構です。見つからなくても、ほかの3つで確かめます。
  • 決済の見込み時期契約書を直していただくことになったときの、時間の見当がつきます。

司法書士から、ひとこと

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

私道の漏れは、あとになって効いてきます。重要事項説明をつくる側の仕事もしているので、どこを見れば出てくるかは分かります。決めてしまう前に、ひとこと投げてください。

この案件のご相談

この場面で、当事務所ができること

  • 買ったときの権利証・公図・名寄帳のどこを見るかを、一緒に当たります
  • 売買契約書の物件の表示と登記簿を照らすところは、こちらで引き受けます
  • 決済の日に、私道の持分も売る土地と一緒に申請します
決済予定日
未定なら「◯月下旬」など見込みで構いません。
物件の所在地
市区町村までで足ります。土地・建物がいくつあるかも分かれば添えてください。
権利証の有無
未確認なら「未確認」とお書きください。

物件の所在地か登記事項証明書と、売買契約書の物件の表示をお知らせください。

この案件を相談する受付 10:00〜19:00/見積もりは無料です。個人名・地番は最初のご連絡では不要です。「物件の照合」で引き受けることを見る

私道の持分があるときに、よく聞かれること

私道の分も登録免許税がかかりますか?

かかります。私道に評価額が付いていないときは、近くの宅地の値段をもとに計算します(評価証明書)。

漏れたまま決済すると、どうなりますか?

あとから私道だけの移転登記をすることになります。売主さんにもう一度、書類に署名と押印をいただくことになります。

持分ではなく、1筆を単独で持っているようです

その1筆がまるごと売買の対象です。持分の形か単独の形かは、登記事項証明書で分かります。

この記事に出てくる言葉

この記事は、一般的な個人間の売買を想定した説明です。必要な書類や手続は、当事者・物件・融資の条件によって変わります。実際の案件では、担当する司法書士にご確認ください。