売買決済の実務|物件の照合

売買契約書と登記簿の物件表示が違う|チャートで分かる、決済前の照合

契約書の物件の表示が、登記簿と合っていないと言われました

見積もりをお願いしたら、契約書の物件の表示が登記簿と合っていないと言われました。契約はもう済んでいます。作り直さないと決済できないのでしょうか。売主さんにも買主さんにも、どう切り出せばよいのか迷っています。

登記の側は、登記簿の表示のとおりに進みます

契約書の書き方が登記簿と違っていても、登記は登記簿の表示のとおりに申請します。契約書に合わせて登記簿を書き換えるのではありません。

契約書をそのままにしてよいかは、重要事項説明書との整合もあるので、ご契約の側のご判断になります。どこがどう違うかを登記事項証明書と公図で照らして、分けてお返しするところまでをこちらで引き受けます。複数筆や共有持分をどう書くかは、土地の表示の書き方の記載例が参考になります。

同じ「違う」でも、中身が別です

  • 見た目が違うだけのとき町名や地番の変更、住居表示の実施、表記のゆれです。売買の対象は合っているので、登記はそのまま進みます。
  • 売買の対象が足りていないとき私道の持分や、分筆されたあとの筆が落ちている形です。物件の表示に足していただくことになるので、早いほど直しやすいところです(私道の持分がある売買)。

契約書に住居表示だけ書いてあると、どちらにあたるかは契約書だけでは決まりません。1つの住居表示に土地が何筆もあることがあるので、公図と登記簿で一緒に当たります。

どこが合わないかで、進め方が分かれます

選ぶと、その先だけが出ます

契約書と登記簿を見比べて、1つ選んでください

合わないところが複数あれば、重いほうを選んでください。

契約書と登記簿が合わないと言われた

契約書と登記簿で、どこが合いませんか

4とおりを、まとめて見る

所在や地番の書き方

登記はそのまま進みます。筆が落ちていないかだけ、一緒に当たります

  • 物件の所在地
  • 売買契約書の物件の表示

町名や地番の変更だけなら、見た目の違いです。分筆や合筆があると、契約書の地番が別の土地になっていることがあるので、公図と登記簿で確かめます。

面積

登記はそのまま進みます。マンションはローン控除を先に見てください

  • 物件の所在地
  • 売買契約書の物件の表示

土地は公簿の面積のまま、マンションは壁の内側で測るので、登記簿は販売資料より小さく出ます。住宅ローン控除は登記簿の面積で見るため、50平方メートルの前後だと買主さんに効いてきます。

物件の数

物件の表示に足していただきます。契約の前に分かれば、その時点でご相談します

  • 物件の所在地
  • 売買契約書の物件の表示
  • 決済の見込み時期

どう直すかはご契約の内容で変わるので、分かった時点でご相談します。

どこが違うか分からない

登記簿と公図で照らします。物件の所在地だけで始められます

  • 物件の所在地か登記事項証明書
  • 売買契約書の物件の表示

見た目の違いなのか、売買の対象が足りていないのかを分けてお返しします。

  • 地積を直す登記や分筆は、土地家屋調査士の仕事になります。要りそうなときは、その時点でお伝えします。

実際に出てくるのは、だいたい次のどれかです。

どういう違いか決済までにどうなるか
町名や地番が変わっている同じ土地の呼び名が変わっただけです登記はそのまま進みます
契約書が住居表示、登記簿が地番1つの住居表示に土地が何筆もあることがあります公図と登記簿で、筆が足りているかを当たります
土地の面積が実測と違う登記簿は公簿の面積です登記はそのまま進みます
マンションの床面積が販売資料より小さい区分建物は壁の内側で測ります登記はそのまま進みます。住宅ローン控除は登記簿の面積で見ます
物件の数が合わない売買の対象そのものが違います(私道の持分がある売買)。物件の表示に足していただきます
家屋番号が登記簿に無い表題登記がされていないことがあります何の建物かを確かめてからご相談します
分かれ道の全体を、図で見る
契約書と登記簿の物件表示が違うときの流れ図。見た目の違いか、売買の対象が足りていないかで、決済までの段取りが分かれる
合わないところごとに、決済までの段取りが変わります。

担当者の方からいただきたいもの

どこが違うかの見当がついていなくても構いません。次の2つで照らせます。

  • 物件の所在地か、登記事項証明書の写し重要事項説明のために取ったものがあれば、その写しで足ります。
  • 売買契約書の物件の表示まだ契約の前なら、案の段階のもので結構です。契約の前のほうが直しやすいところです。

決済の見込み時期もあわせていただけると、直していただくことになったときの時間の見当がつきます。

司法書士から、ひとこと

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

契約書と登記簿が合っていないと言われても、たいていは呼び名が違うだけです。ひとりで抱えずに、言われた時点で声をかけてください。

この案件のご相談

この場面で、当事務所ができること

  • 契約書の物件の表示と、登記簿・公図を1件ずつ照らします
  • 見た目の違いなのか、売買の対象が足りていないのかを分けてお返しします
  • 直していただくことになったときは、どこが足りないかをお伝えしてご相談します
決済予定日
未定なら「◯月下旬」など見込みで構いません。
物件の所在地
市区町村までで足ります。土地・建物がいくつあるかも分かれば添えてください。
権利証の有無
未確認なら「未確認」とお書きください。

物件の所在地と、売買契約書の物件の表示をお送りください。

この案件を相談する受付 10:00〜19:00/見積もりは無料です。個人名・地番は最初のご連絡では不要です。「物件の照合」で引き受けることを見る
契約書を作り直すことになりますか?

作り直しになることは、まずありません。売買の対象が足りていないときも、物件の表示に足していただくかたちがほとんどです。どう直すかはご契約の内容で変わるので、分かった時点でご相談します。

登記簿のほうを、契約書に合わせて直せませんか?

地積を直す登記や分筆は、売買とは別の手続で、土地家屋調査士の仕事になります。一部だけを売る契約で分筆が要るときは別ですが、そうでなければ売買の登記は登記簿のとおりに申請します。

買主さんに、面積が小さいと言われました

区分建物は壁の内側で測るので、登記簿は販売資料より小さく出ます。住宅ローン控除は登記簿の面積で見るため、50平方メートルの前後だとそこが効いてきます。税のことはご契約の側でご確認ください(見積もりに必要な資料)。

この記事に出てくる言葉

この記事は、一般的な個人間の売買を想定した説明です。必要な書類や手続は、当事者・物件・融資の条件によって変わります。実際の案件では、担当する司法書士にご確認ください。