相続登記を自分でする|チャートの質問に答えて穴埋めすれば、申請書ができる
戸籍は集めました。申請書をどう書けばよいですか
母が亡くなりました。父は先に亡くなっていて、実家の名義は母、相続人は私たち兄弟3人です。実家は私ひとりで相続することに決め、戸籍と遺産分割協議書はそろっています。費用を抑えたいので自分で申請したいのですが、申請書の書き方と、法務局にどう出すのかが分かりません。
自分で申請できます。書類がそろっていれば、この記事の穴埋めで申請書が作れます
相続登記は、司法書士に頼まなくても申請できます。この記事は、戸籍などの書類が手元にそろっていて、登記事項証明書と課税明細書の見方が分かっている方向けです。その方なら、下の穴埋めの質問に答えるだけで、申請書のPDFができます。できるのは申請書の作成までで、書類の確認や法務局への提出は含みません。様式は、法定相続分のまま(法律で決まった割合)か、話し合いで決めたか、遺言で決まっているかで別です。登録免許税の収入印紙は別の白紙(台紙)に貼り、不動産の所在地を管轄する法務局へ出します。
ご相談の場合(相続人は兄弟3人、話し合いでおひとりが引き継ぐ)は、様式「相続・遺産分割」です。遺産分割協議書と、兄弟3人全員の印鑑証明書を添えます。法務局のチェックリストには、電話番号、押印、申請書と台紙の契印も挙がっています。
申請書の各欄に書くこと
様式は法務局の「不動産登記の申請書様式について」のページからダウンロードします。令和8年10月5日以降に申請する分は様式が新しくなり、名義人になる方の国籍等を書く欄が増えています。パソコンで入力するか黒のインクで書き、A4の用紙に片面で印刷します。鉛筆や消せるボールペンは使えません。書く前に、登記事項証明書と固定資産課税明細書を手元に置きます。集める書類は相続登記の必要書類にまとめています。名義が祖父母の代のままだと、集める戸籍が増え、様式や申請の件数も変わります。この記事では扱いません。
| 書くこと | |
|---|---|
| 登記の目的 | 「所有権移転」と書きます。亡くなった方が持分だけを持っていたときは「○○持分全部移転」です。 |
| 原因 | 亡くなった日を書いて「相続」と続けます。 |
| 相続人 | 亡くなった方の氏名と、引き継ぐ方の住所・氏名を住民票のとおりに書きます。複数で共有にするときは、それぞれの持分も書きます。名義人になる方の国籍等は、申請人でない共有者の分も書きます。実際に申請する方の名前には「(申請人)」と添えて印を押し(認印で構いません)、ふりがな・生年月日・メールアドレス・平日の日中につながる電話番号も書きます。 |
| 添付情報 | 「登記原因証明情報 住所証明情報」と書きます。遺産分割なら協議書と印鑑証明書、遺言なら遺言書も登記原因証明情報として添えます。委任状を添えるときは「代理権限証明情報」も書きます。 |
| 登記識別情報の通知 | 通知を受け取らないときだけ、チェックを入れます。ふつうは入れません。 |
| 申請日と申請先 | 出す日と、不動産の所在地を管轄する法務局の名前を書きます。管轄は法務局のサイトの「管轄のご案内」で調べます。 |
| 課税価格と登録免許税 | 課税価格は、課税明細書の「価格」か「評価額」の欄の数字です(課税標準額ではありません)。私道など価格が付いていない土地は、法務局が認定した価格を使うので、管轄の法務局に聞きます。不動産が複数なら合計し、持分だけを引き継ぐなら価格に持分をかけ、登録免許税の課税価格は1,000円未満を切り捨てます。登録免許税はその0.4%で、100円未満を切り捨て、1,000円に満たなければ1,000円です。価額が100万円以下の土地など、令和9年3月31日までの免税に当たる土地は、登録免許税の欄に「租税特別措置法第84条の2の2」と書きます。全部が免税なら、課税価格は書きません。 |
| 不動産の表示 | 登記事項証明書のとおりに写します。不動産番号(13桁)を書けば、所在・地番・地目・地積などは省けます。敷地権付きのマンションは、不動産番号を書いても敷地権の種類と割合は省けません。 |
- 収入印紙は、申請書に直接貼りません白紙を1枚足して台紙にし、そこに登録免許税の額の収入印紙を貼ります。申請書と台紙を重ねて左側を2か所ホチキスでとめ、つづり目に申請人の印を押します(契印)。収入印紙そのものには押しません。収入印紙は郵便局か、法務局の中の売りさばき所(無い庁もあります)で買えます。現金で納めて領収証書を台紙に貼る方法もあります。全部が免税なら、台紙は要りません。
- 戸籍の原本は、図を付けると返してもらえます相続関係説明図を添えると、法務局の調査が終わったあとに戸籍の原本を返してもらえます(原本還付)。遺産分割協議書や印鑑証明書、遺言書を返してほしいときは、コピーに「原本に相違ありません」と書いて署名・押印したものを一緒に出します。
- 複数の相続人のうち、ひとりだけで申請するとき法定相続分のまま共有にする登記は、相続人のひとりが全員分を申請できます。ただし申請人にならなかった方には登記識別情報が通知されず、その方が売るときに登記識別情報の代わりの手続(司法書士の本人確認情報など)が要ります。全員を申請人にするなら、全員が押印します。ひとりに手続を任せても、委任状を添えて申請書に代理人の欄を書けば全員が申請人になり、全員に登記識別情報が通知されます。
ここまでの欄を、穴埋めで申請書にできます。もう一度書いておくと、戸籍・住民票の除票・引き継ぐ方の住民票・課税明細書と、話し合いで決めたなら遺産分割協議書と印鑑証明書、遺言なら遺言書が手元にそろっていて、登記事項証明書と課税明細書のどこを写せばよいか分かっている方向けです。できるのは申請書と収入印紙の台紙の作成だけで、入力した書類がそろっているかの確認や、法務局への提出はしません。対象は、亡くなった方が単独で持っていた土地と建物を、法定相続分のまま・話し合いで決めた・遺言で決まっている、のどれかで引き継ぐ場合に限ります。名義が祖父母の代のまま、亡くなった方の持分だけ、敷地権付きのマンションは、この穴埋めでは作れません。
相続登記の申請書(PDF)を作る
書類が手元にそろっていて、登記事項証明書と課税明細書の見方が分かる方向けです。できるのは申請書と台紙の作成だけで、できあがった申請書はご自身の責任でお使いください。入力した内容は、この画面の中だけで使います。どこにも送られません。
どの形で引き継ぎますか
亡くなった方(登記簿の名義人)
引き継ぐ方(相続人)。申請する方には、ふりがな・生年月日・国籍等・連絡先も要ります
不動産(登記事項証明書のとおりに)。評価額は固定資産課税明細書の「価格」です
申請先と申請日
申請書に出る金額
- 課税価格:—
- 登録免許税:—
評価額の合計から1,000円未満を切り捨て、0.4%をかけて100円未満を切り捨てた額です。
できたPDFは、A4に片面で印刷し、申請人の欄に押印してから出します。台紙の収入印紙は貼ってから契印します。
この穴埋めは、ご自分で作る方のために置いています。入力した内容と、できあがった申請書で申請することは、ご自身の責任でお願いします。法務局から直すように言われることもあります。入力の仕方や、できあがった申請書についてのご相談はお受けしていません。分からないところは、法務局の登記手続案内(予約制)で聞けます。最初から任せたい場合は、下の相談入口からどうぞ。
引き継ぐ形で様式が、出し方で同封するものが変わります
答えていくと、使う様式と出し方が分かります
分かっている範囲で答えてください。
戸籍などの書類は集めた
どの形で引き継ぎますか
10とおりを、まとめて見る
法定相続分のまま、全員の共有にする窓口に持っていく
様式「相続・法定相続」で作り、管轄の法務局の窓口へ持っていきます
- 申請書(相続人全員の持分を書く)と、収入印紙を貼った台紙
- 戸籍一式・住民票の除票・相続人全員の住民票
- 控えがほしければ、申請書の写し(受領証を出してもらえます)
申請人になる方の分だけ、登記識別情報が通知されます。
法定相続分のまま、全員の共有にする郵送する
様式「相続・法定相続」で作り、書留で送ります
- 申請書(相続人全員の持分を書く)と、収入印紙を貼った台紙
- 戸籍一式・住民票の除票・相続人全員の住民票
封筒の表に「不動産登記申請書在中」と書きます。完了証と通知書も郵送で受け取るなら、宛名を書いた返信用封筒と切手(書留料と本人限定受取郵便の料金。申請人が複数なら人数分)も入れます。
法定相続分のまま、全員の共有にする分からない
窓口でも郵送でも、出したあとの流れは同じです
- 申請書(相続人全員の持分を書く)と、収入印紙を貼った台紙
- 戸籍一式・住民票の除票・相続人全員の住民票
近ければ窓口へ、遠ければ郵送で出します。出す前に、法務局の登記手続案内(予約制)で書き方を聞けます。
話し合いで決めた(遺産分割協議書がある)窓口に持っていく
様式「相続・遺産分割」で作り、管轄の法務局の窓口へ持っていきます
- 申請書と、収入印紙を貼った台紙
- 遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書
- 戸籍一式・住民票の除票・引き継ぐ方の住民票
- 控えがほしければ、申請書の写し(受領証を出してもらえます)
協議書と印鑑証明書を返してほしいときは、コピーに「原本に相違ありません」と書いて署名・押印したものを添えます。
話し合いで決めた(遺産分割協議書がある)郵送する
様式「相続・遺産分割」で作り、書留で送ります
- 申請書と、収入印紙を貼った台紙
- 遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書
- 戸籍一式・住民票の除票・引き継ぐ方の住民票
封筒の表に「不動産登記申請書在中」と書きます。協議書の原本を返してもらうなら、コピーに「原本に相違ありません」と書いて署名・押印したものも入れます。完了証と通知書も郵送で受け取るなら、宛名を書いた返信用封筒と切手(書留料と本人限定受取郵便の料金)も入れます。
話し合いで決めた(遺産分割協議書がある)分からない
どちらで出しても、不備があれば法務局から電話で連絡が来ます
- 申請書と、収入印紙を貼った台紙
- 遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書
- 戸籍一式・住民票の除票・引き継ぐ方の住民票
出したあとの流れは、窓口でも郵送でも同じです。
遺言で決まっている窓口に持っていく
様式「相続・公正証書」か「相続・自筆証書」で作り、窓口へ持っていきます
- 申請書と、収入印紙を貼った台紙
- 遺言書(自筆なら検認済証明書付き。法務局で保管していたものは遺言書情報証明書)
- 死亡の記載のある戸籍・住民票の除票・引き継ぐ方の戸籍と住民票
- 控えがほしければ、申請書の写し(受領証を出してもらえます)
遺言が相続人に「遺贈する」と書いているときは、様式「相続人に対する遺贈」です。相続人でない方に渡すときは、相続登記ではなく遺贈の登記になります。
遺言で決まっている郵送する
様式「相続・公正証書」か「相続・自筆証書」で作り、書留で送ります
- 申請書と、収入印紙を貼った台紙
- 遺言書(自筆なら検認済証明書付き。法務局で保管していたものは遺言書情報証明書)
- 死亡の記載のある戸籍・住民票の除票・引き継ぐ方の戸籍と住民票
封筒の表に「不動産登記申請書在中」と書きます。遺言書の原本を返してもらうなら、コピーに「原本に相違ありません」と書いて署名・押印したものも入れます。完了証と通知書も郵送で受け取るなら、宛名を書いた返信用封筒と切手(書留料と本人限定受取郵便の料金)も入れます。
遺言で決まっている分からない
様式の選び方は、出す前に法務局で聞けます
- 申請書と、収入印紙を貼った台紙
- 遺言書(自筆なら検認済証明書付き。法務局で保管していたものは遺言書情報証明書)
- 死亡の記載のある戸籍・住民票の除票・引き継ぐ方の戸籍と住民票
登記手続案内は予約制です。遺言書はコピーを添えて原本を返してもらえます。
分からない
法定相続分のままなら、話し合いが決まっていなくても登記できます
- 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍と住民票の除票
- 相続人全員の戸籍と住民票
ただし、あとで話し合いがまとまってひとりの名義にするときは、もう一度登記が要ります。遺言があるか、話し合いで決めるかで、使う様式と添える書類が変わります。相続登記の必要書類のチャートで、ご自分の場合を確かめてください。
- オンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)もできます。電子証明書と専用のソフトが要ります。
分かれ道の全体を、図で見る

出したあとに受け取るものと、気をつけること
- 法務局から連絡が来ることがあります申請書の書き間違いや書類の不足があると、申請書に書いた電話番号に法務局の担当者から連絡が来ます。言われたところを直します(補正)。直し方は、そのとき法務局の案内に従います。
- 登記完了証と登記識別情報通知書を受け取ります登記が終わると、法務局から登記完了証と登記識別情報通知書が交付されます。受け取り方は、出し方とは別に選べます。窓口で受け取るなら、申請書に押したのと同じ印鑑を持っていきます。郵送で受け取るなら、申請のときに返信用封筒と切手(書留料と本人限定受取郵便の料金)を入れておきます。登記完了証も登記識別情報通知書も、再発行はされません。登記識別情報通知書は、将来この不動産を売るときの権利証になるので、登記識別情報の部分は開けずに保管します。
戸籍集めから申請まで任せたいときは、相談フォームからどうぞ。
司法書士から、ひとこと

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
書類がそろっていれば、相続登記はご自分でも申請できます。戸籍集めから任せたいときは、声をかけてください。
この場面で、当事務所ができること
- 戸籍集めから申請まで、まとめて引き受けます
- 登録免許税を計算し、免税になる土地があれば申請書に書きます
- 相続人が多い、本籍を何度も移している、名義が祖父母の代のまま、といった案件も引き受けます
- 亡くなった方のお名前と亡くなった時期
- 分かる範囲で結構です。
- 不動産の所在地
- 固定資産税の納税通知書があれば、その写しで分かります。
- 遺言の有無と、相続人の人数
- 分からなければ「分からない」で結構です。
任せたいときは、亡くなった方のお名前と亡くなった時期、不動産の所在地をお知らせください。書類がそろっていなくても構いません。
この内容で相談する受付 10:00〜19:00/見積もりは無料です。亡くなった方のお名前や地番は最初のご連絡では不要です。「相続登記」で引き受けることを見る自分で相続登記をするときに、よく聞かれること
法務局に申請書を見てもらえますか?
法務局には予約制の登記手続案内があり、申請書の書き方や添える書類について聞けます。手続の一般的な案内で、書類を作ってもらえるものではありません。
登記が終わるまで、どのくらいかかりますか?
法務局ごとに完了予定日を公表していて、混み具合で変わります。出すときに窓口で聞くか、法務局のサイトで確かめます。
遺産分割協議書に押した印鑑証明書は、3か月を過ぎても使えますか?
使えます。相続登記に添える印鑑証明書に期限はありません。そのあと不動産を売るときに使う印鑑証明書は別で、決済の日に3か月以内のものが要ります(印鑑証明書はいつ取る)。
不動産が複数の法務局に分かれています
法務局ごとに申請書を作って、それぞれに出します。戸籍は、相続関係説明図を添えて原本を返してもらい、次の法務局に使い回せます。法定相続情報一覧図の写しを作っておけば、戸籍の束を添えずに済みます。
自分でやるのと、司法書士に頼むのとで、何が違いますか?
登録免許税は、どちらでも同じ額です。違うのは司法書士の報酬と、戸籍集めや申請書作りにかける時間です。相続人が多い、本籍を何度も移している、名義が祖父母の代のまま、といった場合は手間が大きく変わるので、一度ご相談ください。