売買決済の実務|名義と登記簿のズレ

法人が売主の不動産決済|チャートで分かる、会社から渡していただくもの

会社の印鑑証明書は要らない、と言われました

売主が法人の媒介です。必要書類をうかがったら、会社の印鑑証明書は登記に出さなくてよいと言われました。本当に何も用意しなくてよいのでしょうか。取締役会の議事録は要るのかも聞かれていて、答えられずにいます。

進め方は個人のときと変わりません。違うのはおもに3つです

印鑑証明書の出どころ、登記簿の本店・商号がいまの会社と合っているか、買主がどなたか。この3つです。

会社の登記事項証明書と不動産の登記簿を照らすところは、こちらで引き受けます。買主さんがどなたかは、会社と担当者の方にうかがいます。

個人が売主のときと違うところ

個人が売主のとき法人が売主のとき
印鑑証明書市区町村のもの。作成後3か月以内法務局のもの。申請書に会社法人等番号を書けば登記には出しません。出す方法も残っていて、その場合は作成後3か月以内です(印鑑証明書)。
本人確認売主さんご本人と面談します代表者の方と面談します
登記簿とのズレ住所や氏名の変更の登記(住所が登記簿と違う)。本店や商号の変更の登記。売買の登記と同時に申請します
売ると決める手続売主さんご本人が決めます会社が決めます。買主が代表者の方ご本人のときは、承認が登記の添付書類になります

会社の印鑑証明書は登記には出しませんが、委任状に押された印が会社の実印かどうかは、こちらで照らします。写しをいただきます。

権利証と評価証明書は、個人のときと同じです。

買主がどなたかと、登記簿の表示で分かれます

選ぶと、その先だけが出ます

売買契約書と登記簿を見て、1つ選んでください

売買契約書の買主の表示と、不動産の登記簿だけで足ります。

売主が法人の媒介を受けた

買主はどなたで、登記簿の会社の表示はいまのままですか

4とおりを、まとめて見る

買主は第三者。本店も商号もいまのまま

いちばん多い形です。会社の登記事項証明書と、印鑑証明書の写しをいただきます

  • 会社の登記事項証明書
  • 法人の印鑑証明書の写し

会社の中では売ると決める手続が要りますが、その議事録は登記に出す書類ではありません。

登記簿の本店か商号が、いまと違う

本店か商号の変更の登記を、売買の登記と同時に申請します

  • 会社の登記事項証明書
  • 決済の見込み時期

本店を何度か移していると、いまの登記事項証明書だけでは不動産の登記簿の本店までつながらないことがあります。そのときは前の管轄の分も、こちらで取ります。

買主が代表者ご本人か、代表が同じ会社

承認が登記の添付書類になります。契約の前に分かれば、その時点でお知らせください

  • 会社の登記事項証明書
  • 売買契約書の買主の表示
  • 決済の見込み時期

取締役会設置会社なら取締役会、そうでなければ株主総会の承認です。議事録には取締役の方それぞれの実印と、市区町村の印鑑証明書まで要るので、日数を見ておきたいところです。

登記簿の表示がいまと合っているか分からない

会社の登記事項証明書で分かります。取り寄せはこちらでできます

  • 会社名と本店の所在地

不動産の登記簿の表示と見比べて、変更の登記が要るかどうかをお返しします。

  • 代表者が複数いる会社では、どなたが契約するかを会社でお決めいただきます。決まった方で委任状をつくります。
分かれ道の全体を、図で見る
法人が売主のときの流れ図。登記簿の本店・商号がいまの会社と合っているか、買主が代表者本人かで、要る書類と申請が分かれる
売主が法人と分かってから、決済の日までの流れです。

担当者の方からいただきたいもの

会社の登記事項証明書が1通あれば、だいたいのことは分かります。お手元になければ、会社名と本店の所在地で結構です。

  • 会社の登記事項証明書の写し代表者がどなたか、本店や商号が変わっていないか、取締役会設置会社かまで分かります。
  • 売買契約書の買主の表示買主が代表者の方ご本人だと、要る書類が変わります。契約の前なら、案の段階のもので結構です。
  • 法人の印鑑証明書の写し登記には出しませんが、委任状の印を照らすのに使います。法務局で取るものです。
  • 会社名義の権利証の写し物件が並んでいるところをお願いします。見つからなければ、その旨だけで結構です(権利証が見つからない)。

司法書士から、ひとこと

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

法人の決済で日数を取られるのは、登記簿の本店が昔のままというところと、買主が代表者の方ご本人という2つです。会社の登記事項証明書を1通いただければ、どちらにあたるかをお返しします。契約の前でも構いませんので、気軽に投げてください。

この案件のご相談

この場面で、当事務所ができること

  • 会社の登記事項証明書と不動産の登記簿を照らして、変更の登記が要るかを確かめます
  • 買主が代表者の方ご本人のときは、要る承認と議事録の形をご案内します
  • 本店や商号が古いままなら、前の管轄の分まで取り寄せます
決済予定日
未定なら「◯月下旬」など見込みで構いません。
物件の所在地
市区町村までで足ります。土地・建物がいくつあるかも分かれば添えてください。
権利証の有無
未確認なら「未確認」とお書きください。

会社の登記事項証明書と、売買契約書の買主の表示をお知らせください。

この案件を相談する受付 10:00〜19:00/見積もりは無料です。個人名・地番は最初のご連絡では不要です。「名義と登記簿のズレ」で引き受けることを見る

法人が売主のときに、よく聞かれること

取締役会の議事録は、登記に要りますか?

第三者に売るだけなら要りません。会社の中で売ると決める手続は要りますが、登記に出す書類ではありません。買主が代表者の方ご本人のときだけ、承認した議事録が添付書類になります。

代表者が2人いる会社です。どちらで契約しますか?

会社でお決めいただきます。決まった方で委任状をつくるので、契約の前に分かればその時点でお知らせください。

本店を移していますが、不動産の登記簿は古いままです

決済の日に、本店の変更の登記と売買の登記を同時に申請します。何度か移していると前の管轄の分まで要ることがありますが、取り寄せはこちらでします。

この記事に出てくる言葉

この記事は、一般的な個人間の売買を想定した説明です。必要な書類や手続は、当事者・物件・融資の条件によって変わります。実際の案件では、担当する司法書士にご確認ください。