計算ツールの使い方

登録免許税の計算ツールの使い方

売買の決済では、売主側と買主側のそれぞれに登録免許税がかかります。計算ツールは、その金額を1画面にまとめて出すためのものです。資金計画書の「登記費用」の欄や、売主の手取りの試算に、そのまま使える数字が出ます。

1画面に出る4つの登記

どちらの負担か登記登録免許税の決まり方
売主側住所変更不動産1個につき1,000円
抵当権抹消不動産1個につき1,000円
買主側所有権移転固定資産評価額 × 税率
抵当権設定借入額 × 税率

結果の欄では、はじめから4つともチェックが入っています。住所変更と抵当権抹消は、要るかどうか分からなければ、チェックを入れたままで構いません。売主から「ローンはもう返し終わった」と聞いていても、登記簿に抵当権の登記が残っていれば、抹消が要ります。住所変更も抹消も、司法書士が登記簿を見て確かめます。

買主が現金で買うときは、抵当権設定のチェックを外してください。

手元に用意するもの

  • 固定資産評価証明書(または固定資産税の納税通知書の課税明細)。「評価額」または「価格」の欄の数字を使います。「課税標準額」の欄ではありません。
  • 買主の借入額。決まっていなければ、事前審査の金額で構いません。
  • 登記簿。土地が何筆あるか、前面の私道に持分があるかを見ます。

売買価格は使いません。所有権移転の登録免許税は、売買価格ではなく固定資産評価額から計算します。

基本の使い方(土地1筆・建物1個の戸建て)

  • 土地の筆数・建物の個数を合わせる

    +と−で数を変えると、その数だけ入力欄が出ます。

  • 評価額を入れる

    評価証明書の数字をそのまま、円単位で入れます。入力欄の下に「万円」での読みが出るので、桁の間違いに気づけます。

  • 借入額を入れる

    数字を直接入れても、下のつまみを動かしても同じです。

  • 買主が自分で住む家なら、軽減のチェックを入れたままにする

    外すと軽減なしの税率で計算します(次の節)。

計算ツールの入力欄。土地1筆1,200万円、建物1個600万円、借入額3,500万円を入力した状態
入力の例。土地の評価額 1,200万円、建物の評価額 600万円、借入額 3,500万円。
計算結果。売主側 小計4,000円、買主側 小計233,000円、合計237,000円
結果。左が売主側、右が買主側。各行の下に、どの金額に何%を掛けたかが出ます。

軽減のチェックで金額が大きく変わります

買主が自分で住むための住宅で、一定の要件を満たすと、建物の所有権移転が 2% から 0.3% に、抵当権設定が 0.4% から 0.1% に下がります。上の例では、軽減があるかないかで買主側の金額が20万円ほど違います。

買主が法人のとき、買取再販の仕入れ、投資用、セカンドハウスは、この軽減の対象になりません。チェックを外して計算してください。

業者買取の例。住所変更と抵当権設定のチェックを外し、軽減なしで所有権移転が300,000円
業者が現金で買い取る例。同じ物件でも、軽減なしでは所有権移転が 198,000円 → 300,000円。融資がないので抵当権設定は外しています。

個人の買主で、軽減が使えるかどうかがまだ分からない段階なら、資金計画書にはチェックを外した金額を書いておくのが安全です。あとで軽減が使えると分かれば、買主にとっては費用が下がる方向の訂正で済みます。要件に当てはまるかどうかは、築年数や床面積の資料をもとにこちらで確認します。

前面道路に私道の持分があるとき

私道は固定資産税が非課税で、評価証明書の評価額が空欄(または0円)になっていることがあります。それでも登録免許税はかかります。このときは、土地の筆数を1つ増やして、その行の「私道」にチェックを入れます。

土地2筆の入力例。2筆目を私道にして、近傍宅地の単価15万円、地積48.5平方メートル、持分6分の1を入力
2筆目を私道にした例。近傍宅地の1㎡あたり単価、私道の地積、移転する持分(6分の1)を入れます。

近傍宅地の単価は、市区町村の窓口で評価証明書を取るときに「登記に使うので、近傍宅地の価格を載せてください」と頼むと、備考欄に書いてもらえます。分からなければ、隣の宅地の評価額を地積で割った数字を入れておけば、概算としては十分です。

マンションのとき

マンションの評価証明書は、土地が「敷地全体の評価額」で書かれていることがあります。その場合は、土地の欄に敷地全体の評価額を入れ、「移転する持分」に登記簿の敷地権の割合を入れてください。建物は、その部屋の評価額をそのまま入れます。

マンションの入力例。敷地全体の評価額3億円に、敷地権の割合10000分の125を持分として入力
敷地全体の評価額 3億円、敷地権の割合 10000分の125 の例。
マンションの計算結果。土地は持分を掛けた3,750,000円に1.5%
土地は、持分を掛けたあとの 375万円 に税率が掛かっています。

評価証明書の土地の金額が、すでに部屋ごとの持分で割った後の数字なら、持分は「1分の1」のままにします。

持分だけを売買するとき

共有の不動産で、共有者の1人の持分だけを売買するときは、その行の「移転する持分」に売買する持分を入れます。土地と建物で持分が違っても、筆ごとに違っても、行ごとに別々に入れられます。

出た金額の使いどころ

買主の資金計画書
「登記費用」のうちの登録免許税として、買主側の小計を使います。登記費用は、このほかに司法書士報酬と実費(証明書の取得費など)が加わります。
売主の手取りの試算
売主側の小計を使います。金額は小さいですが、抹消と住所変更の両方が要る売主は多いので、あらかじめ入れておくと後で説明が要りません。
見積書の確認
司法書士の見積書の「登録免許税」の行と見比べるのに使えます。登録免許税は、どの司法書士に頼んでも同じ金額になる部分です。

報酬を含めた費用の全体は費用の考え方にまとめています。

このツールで出ないもの

  • 新築建物の所有権保存、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の税率
  • 根抵当権の設定、相続や贈与による移転
  • 年度の途中で評価額がない土地(分筆直後など)

概算で足りる場面はツールで、契約前に正確な金額が要る場面はこちらでお出しします。決済予定日・物件の所在地・借入の有無が分かれば、報酬・登録免許税・実費を分けた見積書をお送りします。

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